易経実践家 飯田吉宏公式ホームページ

吉凶悔吝(きっきょうかいりん)

ここまで、易経の概要及び読み解く上での基礎知識を紹介してきました。

 

今回はそのトリとして、

「吉凶悔吝(きっきょうかいりん)」について取り上げます。

 

 

易経は、占いの書として出発した関係上、

「吉」と「凶」という言葉が頻繁に出てきます。

 

皆さんの中には、初詣の時におみくじを引く方もいらっしゃるでしょうね。

 

あの「吉」と「凶」です。

 

易経では、下記の言葉で吉凶を説明しています。


「吉凶とはその失得を言うなり」


「吉」は得ることで、「凶」は失うこと。

 

言い方を変えれば、

「吉」は物事が亨(とお)ることであり、「凶」は亨らないということです。

 

春夏秋冬にたとえると、春に種を蒔けば秋に実りが得られるので「吉」。

 

冬の凍った大地に種を蒔いても種は腐るので「凶」となります。

 

ただし、易経の面白さは、

単純に占って、「はい、吉です」「凶です」で終わらないところにあります。

 

ある事象に対して、その状態(「吉」又は「凶」)に至る、

分かれ目の概念が存在するのです。

 


それが、「悔(かい)」と「吝(りん)」です。


「悔」とはそのものズバリで「後悔」のこと。

 

己の行ないを振り返って、何が悪かったのか思いを巡らすことです。

 

「吝」には、ケチる、惜しむといった意味があります。


易経には、悔と吝に関して、


「悔吝を憂うるものは介に存し」


と書かれています。

 

 

この場合の「介」は、境界の「界」と同じ意味です。

 

つまり、吉凶に至るカギとなるのが、悔と吝だと言っているのです。

 

 

たとえば、経営者が事業で大成功して利益をたくさん出した。

 

これは「吉」です。

 

しかし、その只中で、

自分に耳の痛いことを言ってくる人物を遠ざける人事異動をしたとします。

 

これは、言ってみれば「吝」にあたります。

 

陰陽で言えば、「陰」を放棄する行為です。

 

これは、俺の力によって出来たことなんだと。

このぐらい構わないだろうと、「陰」を生む努力を惜しむわけです。


すると、どうなるか。


易経では、「吝」が「凶」のきっかけになるとしています。

 

会社は、経営者のほんの些細な判断から傾いたりするものです。

 

その傾く兆しが「吝」だということです。

 

 

一方で、凶に至ったとしても、

本気で「悔」ができれば、時間はかかるが再び「吉」へと戻れる。

 

これが易経の約束事になります。


まとめると、


吉⇒吝⇒凶⇒悔⇒吉


という循環の中に、人間は置かれているわけです。


易経は変化を尊びます。

状況は刻一刻と変わっていきます。

 

豊かさを長く保つのも、危機から脱出するのも自分次第。

 

 

易経は、書かれていることを現実にすり合わせることで初めて力を発揮します。

ですから、易経に“参加する”意識が不可欠なのです。

 

 

ぜひ、貴方がこの機会に易経に参加をされ、

易経を経営や人生に活用されることを願っております。

 


 

【易経の基礎知識】

 

 

1、易経の歴史

 

2、易経が教える時と変化

 

3、陰陽概念と八卦

 

4、六十四個の時の物語

 

5、時中と時流

 

6、易の三義

 

7、吉凶悔吝(きっきょうかいりん)